患者さんに望まれる薬剤師となるためには

患者さんに望まれる薬剤師となるためには

皆さんは、COML(コムル)という団体をご存じでしょうか? COMLは、NPO法人支え合い医療人権センターのことを指し、自立し主体的に医療へ参加出来る患者を目指す団体として設立されました。

COMLは1990年9月の設立以来、現在まで5万件を超える患者さんからの電話相談を受けています。その活動の中で痛感しているものとして「患者と医療者の深い溝」があると言われています。

患者と医療関係者は立場も医療における役割も全く異なりはしますが、お互いに相互理解を深め、協働することが重要となります。 しかしながら、その価値観に大きな差があるというのです。

例えば、薬剤師をはじめとする医療者にとって、診断や治療、服薬指導といった業務は「日常のもの」ですが、患者にとっては病にかかった際にはじめて接する「非日常のもの」です。 また、医療者が適切かつ冷静に業務を遂行するために、患者さんの症状や状態を客観的に判断する場合に、患者さんは主観的な判断を行います。

さらに、医療者にとって患者さんは「仕事で接する患者さんの一人」ですが、患者さん本人からしてみれば、自分を「特別な存在」として扱って欲しいという想いが強いという違いもあります。 この違いを不用意に埋めることは、薬剤師として正確かつ適切な業務を行う上で好ましいことではありません。しかしながら、この違いを認識した上で、患者さんの立場に立った対応をすることは可能です。

例えば、患者さんが病状に適さない薬の処方を望んだ場合、それを拒否することは非常に重要なことです。しかし、ただ拒否するだけでなく、何故その薬を望むのか、どのような意図を持って希望したことなのかを訊ね、正しい方向へ導くということが出来れば、患者からも医療従事者からも信頼を置かれる薬剤師となれるはずです。

COLMの報告によると、この20年の間に患者さんの意識は大きく変わり、医師や薬剤師にすべてを委ねる「お任せ医療」を望む方は激減し、インフォームドコンセントをはじめとした、患者側の権利意識が強まりをみせています。 この流れにいかに対応していくか。これが望まれる薬剤師になれるかどうかの鍵になると言えるでしょう。

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